◆今回の見所、感想等◆

 前回までとは打って変わり、いきなりのシリアスな展開に驚くことでしょう。今までもあった通り、突然展開する時は劇中にそうなった経緯が挿入され、全てが繋がる様になります。慌てずに受け入れましょう。
 見所は「ひばりの新たなる覚醒(=アフロディーテとの霊機融合)」ですね。14話で黒いディーヴァにボロボロにされた電脳組4人のディーヴァ達。その恐怖から、デンスケをもう変身させないと誓うひばりでしたが、皆を守りたい想いがディーヴァを降臨させてしまいます。このタイミングで掛かり始める挿入歌「朱 -AKA-」は最高のBGMとなっていると感じます。 シューティングスターのことを未だ「王子様」と信じるひばりですが、ここではっきりとシューティングスターと夢の中の王子様が違うことを認識し、更には窮地に立たされたアフロディーテを救いたいと思うひばりの気持ちが起こす「霊機融合」までの流れはしっかり見ておきましょう。その他、つばめが5人目のアニマ・ムンディであるということと、黒いディーヴァがエリヌースであることが、ひばりにも伝えらたことはチェックしておきましょう。
 攻略ポイントは、「約束の日も近いということですぞ」、「さぁ、見ているがいい。私はあなたの操り人形じゃない。私は自らの意志でアニマ・ムンディに新たな覚醒を与える。その時こそ、あなたは私の存在価値を思い知るだろう」、「アニマ・ムンディの新たなる覚醒! 偉大なるジャービルスが成し遂げなかった霊機融合を!」、 「パパに必要なのは空で眠っているメタトロンなんかじゃない、僕の方だよ!」、「間もなくプリムム・モビーレが、降臨の時を迎える」、「時間など私には意味を持たぬ」、「まだ駒は手のひらの上で踊っている…」です。
 
〜 私の選んだ、今回の1枚 〜

「これは…王子…様…?」。強くなれ、ひばり!
●勝手にデータ!
オンエア作画レベル
(「優、良、可、不可」で表記)
不可
リテイク率 95%
シリアス:ギャグ比率  9:1 
お勧め度(5段階)
(「5:高〜1:低」で表記)
重要度(3段階)
(「A:高〜C:低」で表記)
「恋ねば」回数 2(つ ぐ み:1)
 (TVはとこ:1)
特筆事項 挿入歌「朱 -AKA-」
◆今回のすずめ語録◆

No. 台詞 発声箇所 説明
面倒のことですわ。このまま2人でとんずらこいて、楽しく遊びましょうのことですわ。 6分04秒 下校途中、電脳組の面々で何処かに遊びに行こうと計画している時に、「ひばりと一緒なら何処でも良い」の気持ちを込めて言った台詞。「とんずらこいて」というのが如何にもすずめ流である。ここでは「ことですわ」の用法をしっかり理解することが重要である。
ちゅ〜ん?
ちゅーん!
7分01秒
7分10秒
1つ目はひばりが急に居なくなった時の「あれぇ?」の意味。2つ目は勝手に居なくなったひばりに対しての怒りで「んもぉっ!」の意味。前者は今までも登場している定番だが、後者のパターンは初登場。その用法も珍しいが、やはりすずめ流の奥深さを感じさせる。

 殆ど出番が無かった為に、「これ」といったすずめ流の登場とはなりませんでしたが、それでも定番はきっちり使って来るところは凄いですね。今のうちに復習しておきましょう!!
 
◆オンエア vs. リテイク 〜 勝手に選んだ5つ10の場面◆

No. オンエア版 リテイク版 場面説明
冒頭、黒いディーヴァから逃げるひばり。デンスケを酷い目に会わせたくない一心で懸命に走る姿として、その心情が良く表れているのは言うまでもありませんよね? 恐怖や不安が味微塵も感じないオンエア版は凄いです。
どんなに逃げても不気味に背後に迫る黒いディーヴァ。オンエア版のひばりは、その身体のバランスが素敵です(笑)。バランスの話をしたら、ひばりに限らないですけれどね。
「恋ねば」を唄うつぐみ。リテイク版を見て頂ければ良く分かると思いますが、マイクユニットが1つ外れたテッちゃんが、オンエア版ではビリケンになってしまっています(笑)。しかも、ワイヤレスマイクでないという新事実。凄い違いに声も出ません…。
唄い始めたつぐみを「Give me 銭!」と金儲けに利用し始めるかもめ。ここではかもめの表情の酷さ(おばさんっぽいですよねぇ?)の他にも、抱いているパタPiと後ろに居るパタPiを見て頂きたいですね(笑)。明らかに間違っていますよねぇ。
ひばりが居なくなってしまい、捜すかもめとつぐみ。ここまで違うと笑ってしまいます。特にかもめ。髪の毛のボリューム感をそのままに、顔のボリューム感を削り落としています(笑)。傍らのつぐみも似たり寄ったり…ですね…。
「親友の私に黙って消えるなんて」と、ひばりが居なくなった事に対し激怒するすずめ。「絶対許せぇ〜んっっっ!!」のシーンですが、その演出方法が全く異なっています。この話まで見た皆さんであれば、どちらがすずめらしいかは一目瞭然ですよね(笑)。
ひばりの腕の中で脅えるデンスケ。オンエア版のデンスケは、もはやデンスケとは言えない形になってしまっている気がするのは私だけでしょうか? パタPiの大きさそのものも随分違いますし、これがオンエア版の1つの特徴になっていますね(笑)。
ひばりの目の前に現れたつばめ。オンエア版はそれほど酷く見えないかもしれませんが、それは今まで酷いカットを見すぎた為です(笑)。饅頭顔したつばめに、変にほっそりした黒いディーヴァ(=エリヌース)。最高です。
本当の「王子様」の語り掛けに応えるひばり。一見良さそうに見えるオンエア版は、よくよく見ると笑える顔だったりします。自分に力が無いことを悔やむひばりが、王子の言葉に目覚めようとするその時の表情としては、やはりリテイク版の方が内に秘めたる力を感じると思います。
10 霊機融合したアフロディーテ(=ひばり)に突進するエリヌース。よりスピードに乗っているのは、どうみてもリテイク版ですよね。その身体のバランスや顔の向きで随分と印象が変わるものですねぇ。

 今回の酷さは凄いものがあります。ほぼ全カット差し替え、つまり本当に「作り直し」です。本当に見比べれば何から何まで変わっているのが分かると思います。ここまで来ると笑ってしまいますね。
 音だけで画面が動いていなかったり、場面として使い回しが多かったり、カット割りとして配置が変だったり、良いところが1つも無いオンエア版を見てしまうと、リテイク版の修正が「綺麗に直しただけ」というものではなく、本当に完璧に直してあることに驚くことでしょう。流石は作画監督が2人居るだけのことがありますね(笑)。
 先に「これがリテイク版、ですます☆」にて15場面も挙げてあるのに、ここでもまた10場面も挙げてしまいました(笑)。如何にオンエア版とリテイク版に差があるかを感じて頂けることと思います。そして、これだけ重要な回にも拘わらず、これだけ酷い作画にしてしまうというのは、放映当時としては視聴者としても激怒ものでしょうね。勿体無い話です。
 それとオンエア版だけですが、エンディングの横たわるアフロディーテですが、この回はまたもや昔の状態(早い回転の後停止する)に戻っています。


●放映データ
話数 17 サブタイトル 「新生」 放映日 1998.07.25
脚本  三井秀樹 絵コンテ 奥田誠治 演出  山内富夫 作画監督 上條 修(オンエア)
中森良治(リテイク)
高橋勇治(リテイク)
ゲストキャラ 市長:鈴木琢磨
アニメーション協力 特に無し


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