◆今回の見所、感想等◆

 今回の主役は大鳥居つばめ。彼女がひばりやひばりの家族、竜我崎鷹士との出会いを通して「当たり前の人」として変わるまでを丁寧に描いた、「アキハバラ電脳組」の名エピソードの1つです。温かな家庭環境の中で育ったひばりと、常に孤独であったつばめの心の通じ合いをしっかり観て下さい。つばめの心の”羽ひらくとき”を…。
 見所は「全て」と言っても過言ではないでしょう。ひばりの優しさ、ひばりの両親の温かさ、つばめの心を開くまでの流れ…。演出やBGMの効果は非常に高く、全ての場面を深く印象付けていると感じます。これはエンディングが終了するその瞬間まで「完璧」と言えるので凄いと思います。
 今回、印象深い場面は数多くありますが、その中でも結構気に入っているのは、つばめに「嫌い」「要らない」と言われても、最後までつばめに優しかったプティアンジュです。つばめの肩に乗って頭を撫でる場面は、「プティアンジュだけは、ずっとつばめのことを見ていたんだなぁ…」と思って見ると、じぃ〜んと来るものがあります。 エンディングテーマとなった「シンシア・愛する人」の効果もピッタリで、より一層場面を引き立たせていたと感じています。
 攻略ポイントは、ありません。「つばめ版16話」とも言える”心の旅”を堪能して下さい。
 
〜 私の選んだ、今回の1枚 〜

つばめのホットケーキ。
「あした たべる つばめ」の書き置きに…
●勝手にデータ!
オンエア作画レベル
(「優、良、可、不可」で表記)
リテイク率 0.1%
シリアス:ギャグ比率  8:2 
お勧め度(5段階)
(「5:高〜1:低」で表記)
重要度(3段階)
(「A:高〜C:低」で表記)
「恋ねば」回数
特筆事項 EDは「シンシア・愛する人」
◆今回のすずめ語録◆

No. 台詞 発声箇所 説明

 18話に続いて、すずめのすの字が1回も出てこない回なので、すずめ流の登場はありませんでした。こればかりはどうすることも出来ませんので、次回をお楽しみに(笑)。
 
◆オンエア vs. リテイク 〜 勝手に選んだ5つの場面◆

No. オンエア版 リテイク版 場面説明
ホットケーキを焼いている合間に入る、外の風景。オンエア版はもうとっぷり日が暮れていますが、リテイク版はこれから日が暮れようとしているところです。話の流れからすると、夕方くらいが丁度良いので、このリテイクは正しいと思います。夜景の描き方も丁寧ですし。
特にありませんでした。お風呂上がりにフルーツ牛乳を飲むひばりでもご覧ください(笑)。
特にありませんでした。「失敗したからお父さんにじゃなく、お父さんの為に失敗した」と説明するひばりをご覧ください(笑)。
特にありませんでした。初めて感情を表に出したつばめの表情をご覧ください。「ひばりずるい…。ひばりばっかりずるい! ひばりには何でもある、ひばりは、何でも持ってる、みんながひばりを見てくれてる、ひばりには帰るところがある、ひばりは他に何が欲しいの?! 私はもう帰れない、誰も私を見てくれない! 私が欲しいのは、私が…」
特にありませんでした。名場面の1つ、感情を表に出した後のつばめの表情をご覧ください。「ひばり…おいしい…」。

 またもや作画監督が川嶋恵子氏の回に「完璧」と言える作画がやって来ました。話の内容の良さもあって、「アキハバラ電脳組」という作品の中で屈指の名エピソードがここに生まれました。オンエアの時点でこの回を観て、惹きつけられた方もいらっしゃるというくらいに完成された回でした。
 私が観た限りではリテイクポイントは1箇所だけで、それもある意味些細なリテイクですから、全然問題無いと言えます。それにしても、この回の作画が完璧で良かったです。この回が11話や17話みたいだったらと思うと、ゾッとしますよね(笑)。残り、ラストまでこの調子だったら良いのですが…。


●放映データ
話数 20 サブタイトル 「羽ひらくとき」 放映日 1998.08.15
脚本  長谷川勝己 絵コンテ 高橋 亨 演出  高橋 亨 作画監督 川嶋恵子
ゲストキャラ 特に無し
アニメーション協力 J.C.STAFF


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