◆今回の見所、感想等◆

 「アキハバラ電脳組」の物語の根幹にもなっている「謎」の部分が全て語られる、「一夜漬け」とも言える回です。それだけに、この回を見逃してしまうと、何も分からないで終わってしまうかもしれないという、非常に重要な回とも言えます。21話まで重ねてきた物語で、サラッと流してしまっている感のある言葉、設定そのもの等の殆どが語られます。
 竜我崎鷲羽とシゴーニュの正体とその目的、クレイン・バーンシュタイクの居場所、メタトロンとプリムムモビーレ、パタPi、ディーヴァ、ホムンクルスやアルヴァタール、アポストルス、アニマ・ムンディと霊機融合、泉岳寺シマ福郎の過去等、今まで漠然と受け留めていただけのものが、ハッキリと解るようになるでしょう。
 見所は「全部」でしょう。密度の濃い話なので、じっくり堪能して下さい。その他では、ひばりやすずめの聞き間違いも注目したいところではあります(笑)。「菜の花畑(=ナノマシン)」、「アルバイト野郎(=アルヴァタール)」、「裁縫道具(サイボーグ)」と、なかなかいいボケをかましてくれます。
 攻略ポイントは、「5つの聖なる魂の共鳴は成った。ついに我等が大天使”メタトロン”の目覚めの時だ」、「プリムムモビーレが地上に降り立つ頃には彼の覚醒も済んでいるだろうね」、「とうとう約束の日が訪れる…」、「この地に正常なる魂が舞い下り、五体の女神が目覚めし刻まで、我が眠り妨げるべからず。刻満ちる時、我は降臨す」をはじめ、この回全てです。今までの21話で散りばめられてきた数々の謎を1本の線として結んで下さい。
 
〜 私の選んだ、今回の1枚 〜

”アルバイト野郎”について真顔で質問するすずめ(笑)。
●勝手にデータ!
オンエア作画レベル
(「優、良、可、不可」で表記)
リテイク率 30%
シリアス:ギャグ比率  9:1 
お勧め度(5段階)
(「5:高〜1:低」で表記)
重要度(3段階)
(「A:高〜C:低」で表記)
「恋ねば」回数
特筆事項 特に無し
◆今回のすずめ語録◆

No. 台詞 発声箇所 説明
魔法? この科学万能の時代に、何をメルヘンなことをぬかしまくっておられますですの? 7分42秒 エリキシルの話を聞いて、信じられずに言った台詞。「メルヘンなこと」という表現に付け加える「ぬかしまくって」は、正にすずめ流。この用法で疑問形は初登場でもあり、「おられますの?」という締めは覚えておかなければならないだろう。
何が何だか訳わかめですわ。 16分05秒 アニマ・ムンディの話を聞いてもらした台詞。「訳が解らない」というのを「わかめ」という表現に置き換えてしまう、久し振りに登場した意味不明系(だが感覚で解ってしまう)のすずめ流。言葉のフィーリングだけ似ていれば、どう繋げても構わないという代表的な用法。
で、御座いますですかぁ? 16分30秒 アニマ・ムンディの説明を聞き、「純粋?」とひばりの方を見て言ったつぐみに続けて言った台詞で、相づち系のすずめ流。「純粋って、ひばりちゃんがてすの?」という台詞に置き換える事が出来る。

 基本的な用法が使われた今回。新たなすずめ流の登場を期待されていた方には残念でしたが、ここ最近ではシリアスな回が続いていたということもあって、その数は控えめなので仕方のないところでもあります。しかし、復習を兼ねて感覚を忘れない様にしておくことが大切なので、疎かにしない様に注意しましょう。
 
◆オンエア vs. リテイク 〜 勝手に選んだ5つ7つの場面◆

No. オンエア版 リテイク版 場面説明
回想の中のクレイン。14話のリテイク対象の映像が使われてい為、これは致し方ありませんね。この部分に限らず、14話から引用している映像全てが対象になります。
突拍子もないシマ福郎の話に唖然とするひばり。受ける印象はどちらも変わりませんが、比べて見るとリテイク版の方がより「目が点」の雰囲気が出ていると思います。
話を続けるシマ福郎に耳を傾ける電脳組。つばめから順にスクロールするのがリテイク版。すずめから順にスクロールするのがオンエア版。全員同じ時間内に入れたい為に、リテイクではかもめがつぐみに被さる形になってしまっています。これは、オンエア版の方でも良かったのでは?
「ディーヴァは?」の期待の回答を得ることが出来ずにずっこける面々。分かりにくいかもしれませんが、ずっこけた面々の表情にリテイクが入っています。リテイク版の方が作画という点では良いので、ずっこけシーンといった表情が崩れても然程問題でない部分に手を入れているのは拘りなのでしょう。
シマ福郎の元へ歩いてくるクリスチャン・ローゼンクロイツ。オンエア版の動画はかなり笑えます。それもその筈。滑らかな道を歩いているのに、こんなに足を上げては不自然ですよね。リテイク版は完璧でした(笑)。
クリスチャン・ローゼンクロイツに実験中止の理由を問いただすシマ福郎。それを聞くローゼンクロイツの面持ちが、オンエア版では変な感じです。リテイク版では正しい顔つきになっていると思います。
プティアンジュをなでるシマ福郎。オンエア版では、動かした手に合わせてプティアンジュが移動しないのに対し、リテイク版ではちゃんと手に乗っている状態になっています。動画の不備ですね。これより前のシマ福郎の会話部分でも、口と帽子が一緒に動く変なところがあったのをリテイクしてありました。

 元々、特別悪い訳でもない(かと言って特別良い訳でもない)作画でしたので劇的な変更点もありませんが、動画として明らかに変な部分と表情として変な部分を中心にリテイクが入れられています。「ん?」と思うところにもリテイクが入っているので、やはり何かしらの拘りの元にチェックがなされているのだと思います。
 作画変更の中心は14話と同様にクリスチャン・ローゼンクロイツにあります(笑)。それ以外はオリジナルキャラクターデザインに近めの作画だったので、好みの分かれるところですね。

【ご協力、有り難う御座いました!】

 この話のオンエア版は、時間帯変更の為に録画失敗だったのですが、当コンテンツでの呼びかけでご協力頂くことが出来ました!!(嬉) ご協力頂きましたOZさん、申し出てくださったKomoさんあかひらさん他、足を運んで皆様のお陰です。この場をお借りして、お礼申し上げます。本当に有り難う御座いました!


●放映データ
話数 22 サブタイトル 「今ひとたびの幻」 放映日 1998.08.29
脚本  堺 三保 絵コンテ 毛利和昭 演出  毛利和昭 作画監督 牛島勇二
ゲストキャラ 泉岳寺シマ福郎(青年時代):飛田展男、パラケルスス:鈴木琢磨、ルイ十五世:大西健晴
アニメーション協力 リップルフィルム


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