◆今回の見所、感想等◆

 前回とは打って変わり、物凄く重たい回です。急な展開に戸惑う方もいらっしゃると思いますが、前回までの積み重ねと、本編中の回想による補足により、何も問題なく観られてしまうでしょう。これは計算された作りであることを感じられるのではないでしょうか。前回の「温泉」あっての回とも言えるでしょう。
 見所は徹底的に「決死の覚悟の上、戦っている」という気持ちを怖いくらいに押し出した刺客3人に尽きるでしょう。そして、自分の意志でパタPiを変身(=ディーヴァ降臨)出来ない、かもめを除く電脳組の3人の気持ちの動きは見所です。ただ怖がったりするだけのひばり達が、自分の中に「何か」を感じるまでの流れを上手く描けていると思います。
 攻略ポイントは、「ポーンにはポーンに相応しい能力と役割がある。時を見きり、場を選び、駒を進めてこそ完璧なるチェックメイトを手中に出来る」、「アニマ・ムンディの覚醒と開放。12の星座は巡り、混沌の時は去る。そして、新しい世界の幕が上がる。」「新生薔薇十字団(ローゼンクロイツ)の幕開け、是非とも、この私の手で。」です。
 
〜 私の選んだ、今回の1枚 〜

「”頑張れ!”って、言ってくれたんだもん!」
●勝手にデータ!
オンエア作画レベル
(「優、良、可、不可」で表記)
リテイク率 10%
シリアス:ギャグ比率  10:0 
お勧め度(5段階)
(「5:高〜1:低」で表記)
重要度(3段階)
(「A:高〜C:低」で表記)
「恋ねば」回数 1(CDはとこ:1)
特筆事項 特に無し
◆今回のすずめ語録◆

No. 台詞 発声箇所 説明

 シリアスな回だった為に、”すずめ流”の登場はありませんでした。また復習の時間が増えて良かったですね(笑)。
 
◆デスクロウの文学的表現◆

  • 罪と罰にまみれた虫けらども。地の底に潜ろうと、天の彼方に消え去ろうと、命ある限り追い詰める。そして必ず…
  • 天も照覧あれ。理法に逆らう愚か者。無恥なる生け贄ども。今日こそは必ず…
  • 我等の度重なる失敗、その胸にお怒りの炎を燃やすのは、誠にごもっとも…。されど、哀れなる我等に今一度、復讐の機会をお与え下さい!
  • 死に震える小鳥どもよ、我が復讐の網から決して逃れられはしない!
  • あらぶる海神ポセイドンよ、地獄の防人ティターンよ、黒き冥王ハーデスよ、願わくばこの者に無限の苦しみと、永遠の悪夢を与えんことを。
  • たとえ身を引き裂かれようとも、紅蓮の業火に焼き尽くされようとも、今日の我等は退くわけには行かない!

 台詞の内容を見れば分かりますが、決死の覚悟で臨んでいるのが分かりますよね。今までのちゃらけたものは一切無く、その表現の中にも重たいものを感じることが出来ると思います。それでも表現として、デスクロウ(=祖師谷みやま)らしさを感じられますよね。
 
◆オンエア vs. リテイク 〜 勝手に選んだ5つの場面◆

No. オンエア版 リテイク版 場面説明
「アキハバラ電脳組!」と皆で言う冒頭(これ、同じ場面です(笑)」。「私、花小金井ひばり」から始まるこの冒頭は、オンエア版は台詞と場面が殆ど合っていないのに対し、リテイク版はきっちり合わせてある他、名乗りをあげる部分は新作になっています。
「こんな事している暇、無いのよ」と雨の中電話で告げるじゅん。リテイク版は他の通行人がいるのに対し、オンエア版は孤独です。こういう時は、孤独よりも通行人が居た方がより悲壮感があるという配慮からのリテイクですね。
アルヴァタール「サイクロプス」に捕まるひばり。逆さになっているので、髪の毛が垂れ下がっても問題ないと思うのですが、何故かリテイクされています。ここは、オンエア版の方が良かった様に思えるのですが、どうでしょうか。
特にありませんでした。この回がどれほどシリアスだったか、すずめの表情から感じて下さい。
特にありませんでした。この回がどれほどシリアスだったか、つぐみの表情から感じて下さい。

 作画的に「う〜ん」と思うカットも無くはなかったのですが、動きが速かったりカメラが遠かったりしていて、気になるものでもないので問題無いと言えるでしょう。リテイク率は低めですが、まぁ全体的に及第点なので良いと思います。
 この回はメカニック(?)が多く出て来ることもあって、通常の作画監督以外にも「メカニック作画監督」が置かれているのがポイントでしょうか。
 今回のリテイクポイントとして挙げた3場面目は、「う〜ん」と思う変更だったのもポイントと言える様な気がします(笑)。


●放映データ
話数 10 サブタイトル 「決戦アキハバラ」 放映日 1998.06.06
脚本  植竹須美男 絵コンテ 信天翁・経堂 演出  畠山茂樹 作画監督 八 巻
阿部宗孝(メカ)
ゲストキャラ マネージャー:鈴木琢磨
アニメーション協力 特に無し


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