◆今回の見所、感想等◆

 2クール目突入第1回は、今まで謎に包まれていた竜我崎校長とシゴーニュ、そして言葉だけが先行していた「新生薔薇十字団(ローゼンクロイツ)」と「メタトロン」について理解を深められる回となり、物語としてのバックボーンがしっかりと見える大切な回となりました。これで、グッと物語にも引き付けられる方もいらっしゃることでしょう。
 見所は先に述べた部分全てと言って良いでしょう。竜我崎校長、いやクリスチャン・ローゼンクロイツとシゴーニュは一体何をやろうとしているのか、これがこの先に追わねばならない最大の謎となりますから、この回で過去に何があったかを良く整理しておくことをお勧めします。
 攻略ポイントは、「1人の天才は100人の凡夫に勝る。メタトロンの入団を決めた時の君の台詞だよ」、「エリヌースには降臨後に、こちらで改造を加えてある。エネルギー源であるニュートリノの変換効率からして、他のディーヴァ達とは段違いさ」、「アイテールと呼んでくれ。ニュートリノという言葉はどうも無味乾燥でいかん」、「そう、今から110年程前の私は愚かにも、科学の発展が即人類の進歩に繋がると信じ込んでしまっていた」、 「我々は人間の愚かさを過小評価していた」、「究極の避難所へと旅立って行った。下界の全ての汚れに背を向け、天空から平和な世界を夢見る為に」、「我々は、もう500年近く待っている。後少しが待てない訳ではあるまい、クリスチャン・ローゼンクロイツ君」、「そうだな、サンジェルマン伯爵」です。
 
〜 私の選んだ、今回の1枚 〜

「また遊ぼうね、ひばり…」(恐)
●勝手にデータ!
オンエア作画レベル
(「優、良、可、不可」で表記)
リテイク率 90%
シリアス:ギャグ比率  10:0 
お勧め度(5段階)
(「5:高〜1:低」で表記)
重要度(3段階)
(「A:高〜C:低」で表記)
「恋ねば」回数
特筆事項 EDは「”太陽の花”Classic Ver.」
◆今回のすずめ語録◆

No. 台詞 発声箇所 説明

 登場が殆ど無かった上、叫びや悲鳴くらいしかなかった為に、すずめ流を流暢に使える隙は無い回でした。次回に期待しましょう(笑)。
 
◆オンエア vs. リテイク 〜 勝手に選んだ5つ11の場面◆

No. オンエア版 リテイク版 場面説明
冒頭の、ロケットを追い掛けるクリス。オンエア版で、このシーンのクリスは全体的に酷い。このカットを見ただけでもそれは十分に伝わると思います(笑)。追い掛けるている時の気持ちとして、どちらの表情がより正確でしょうねぇ?
サブタイトルが出るところです。オンエア版は場面に重ねて出ますが、リテイク版はこの場面自体がカットされています。ここをリテイクする理由は分かりませんが、見ていて自然なのはオンエア版だったりします。
エリヌース1体に対し、他のディーヴァ4体が相対する事に笑みを浮かべるシゴーニュ。笑みは同じ印象と言えますが、シゴーニュの顔としてはオンエア版はあんまりです。いや、格好良すぎかな?(笑)
エジソンの元を訪れるクリス・ローゼンバーグ(偽名)。「新しい才能を求め」という表情としては、いや、そうでなくてもリテイク版の方が良い表情ですよね。流れていく背景も違います。
エジソンと口論するクレインを見るクリス。ここで初めてクレインに目を付ける訳ですが、オンエア版の顔は表情も然る事ながら、その輪郭までもが凄いです。何をどうしたらこのカットが許されるのでしょうねぇ?
飛行機の揚力計算をするクレイン。オンエア版は全くの別人ですね。「不可」では無いにしても、リテイク版を見てしまうと「不可」にしたくなりますよね(笑)。
クレインと初顔合わせのシゴーニュ。オンエア版は気のせいか顔が歪んで見えます。シゴーニュらしい表情でもあるリテイク版は、何も問題がありませんよね。
「新しい時代の幕開け」と、胸を躍らせるクレイン。同じ希望に満ちた表情ではあっても、オンエア版は少し違う気がします。しかも、クリスの顔を見て言っている様に見えませんからねぇ…。
「実はなクレイン…」と、薔薇十字団(ローゼンクロイツ)の事を初めてクレインに語るクリス。オンエア版の表情は何も言う事がありませんよねぇ…。リテイク版こそクリスの表情ですよね。
10 パタPiの製造について語る竜我崎鷲羽。オンエア版も悪いとは言いませんが、リテイク版を見ると手抜きにしか見えませんよね。カメラ位置もオンエア版は平面ですし、出来るだけ手を抜いているということでしょうか。
11 「もう、嫌だ!」と、科学の進歩が殺戮の道具の進歩になっていることに絶望するクレイン。その表情に絶望の色が見えないオンエア版は、クレインらしからぬ表情も手伝って、非常に浮いて見えます。他の2人も変ですけれどね(笑)。

 電脳組の面々は殆ど出てこない代わりに、物語の中核を成すとも言える竜我崎校長(=クリスチャン・ローゼンクロイツ)やシゴーニュ、メタトロン(=クレイン)が出ずっぱりだった今回。その殆どがモノトーンだったとはいえ、作画が悪ければ色は関係が無いというのが良く分かる回でもありましたね。
 リテイク版になって、その殆どが差し替えられていますが、オンエア版も「作画が酷い」と言うよりは「あの表情で統一されている」と言える為、作画は安定していると言えかもしれません。根本的に酷いものがあまり無いという点で見れば、90%級のリテイク率ではありますが、「不可」ではない(と言っても、ギリギリで「可」)という珍しいパターンでもあります。
 その他では、オープニングテーマがオリジナルと同じ拍数で入ったり(これで5話に引き続き2回目)するところが違っている(これはオンエア、リテイク共に同様)のも、特筆するところでしょうか。些細ではありますが。


●放映データ
話数 14 サブタイトル 「去りにし日々の光」 放映日 1998.07.04
脚本  堺 三保 絵コンテ 青木哲郎 演出  山内富夫 作画監督 高瀬 言
ゲストキャラ レポーター:鈴木琢磨、警官:大西健晴
アニメーション協力 J・C・F


Back