◆今回の見所、感想等◆

 シューティングスター&刺客3人衆が最後の戦いを挑んで来ます。シューティングスター(=竜我崎鷹士)は、竜我崎鷲羽の道具としてではなく、自分の意志で、自分の存在意義や価値を見出す為に。ブラッドファルコン(=豪徳寺じゅん)、デスクロウ(=祖師谷みやま)、ダークピジョン(=代官山はとこ)の3人は、シューティングスターへの愛故に。
 見所は後半の3人衆の語りの場面でしょうか。シューティングスターへの愛を貫くその一途な想いが言葉1つ1つに込められているところは、BGMと非常に綺麗に合わさって、大変印象深いものになっていると思います。色々な人の色々な想いがひばりの心に入って来て、それが明確な答えにならずに苦悩するところはこの後への布石でもあるので、ひばりの心情を感じ取る様にしておきましょう。最後にシューティングスターの為に涙を流すつばめも同様です。
 攻略ポイントは、「そのお前の王子が、私の愛を奪ったのだ!」、「これが人類のあるべき姿なのか。これをメタトロンは欲していた。」、「あれ(=竜我崎鷹士)はアニマ・ムンディの心の水面に、波紋を投げかける小石に過ぎない。それがメタトロンを降臨させる。」です。そして、衛星軌道上に突如現れる謎の物体…。
 
〜 私の選んだ、今回の1枚 〜

「ちょっと待って!」…気持ち、分かりますよ…
●勝手にデータ!
オンエア作画レベル
(「優、良、可、不可」で表記)
不可
リテイク率 85%
シリアス:ギャグ比率  9:1 
お勧め度(5段階)
(「5:高〜1:低」で表記)
重要度(3段階)
(「A:高〜C:低」で表記)
「恋ねば」回数
特筆事項 EDは「”太陽の花”Classic Ver.」
◆今回のすずめ語録◆

No. 台詞 発声箇所 説明
飽き飽きのことですわ。 9分05秒 懲りもせず現れた刺客3人衆に向かって言った台詞。「もう飽きましたのことですわ」が通常レベルのすずめ流だとしたら、これはもっと上級と言って良い。「飽き飽き」と言う事で、どの程度飽きているのかを相手に伝えることが出来る点が大きく異なるので、場合によって使い分けるのが大切。
”はい”のことです! 9分23秒 戦闘態勢を整える時の、ひばりの掛け声に対する返事。「〜のことです」というのは良く使われている様で、意外と使われていない(「ですわ」は多い)。ちなみに、フランチェスカが15話で使った「行くのことでっす!」は、正にすずめ流(笑)。一言で済む場合に用いると、より自然。

 「シリアスになればなるほど、すずめ流の登場回数は少ない」という今までのパターン通り、その登場は殆どありませんでした。この先、ラストに向けてどうなるのか…楽しみにしていて下さい(笑)。
 
◆オンエア vs. リテイク 〜 勝手に選んだ5つ15の場面◆

No. オンエア版 リテイク版 場面説明
つばめのところを訪れるシゴーニュ。帰り際の1場面なのですが、オンエア版の方は酷いですよねぇ。何処を見て会話をしているのかも分かりませんね。思わず笑ってしまいます。
「あたしホントに合体しちゃったんだから」と言うひばり。表情から見て取れる印象はまぁ同じなのですが、その作画は全く異なりますよね。髪型やリボンの大きさを見れば、良く分かります…って、見なくても分かりますかね(笑)。
戦いに赴く前に、身だしなみを整える3人衆の1場面。オンエア版の3人の表情はあまりにも不憫です。動きも変なので余計にそう思えてしまいます。パッと見ただけではそう感じないかもしれませんが、リテイク版は完璧です。
ブラッドファルコンが口紅を塗る場面。その口を見れば、どちらが丁寧に描いているかが分かりますよね? この後の動きも含めて、オンエア版はお話しになりません。かなり笑えます。
下校する電脳組の面々。カメラが遠いので変に見えないかもしれませんが、背景を良く見て下さい。オンエア版は滅茶苦茶変ですよね? 全然立体的に見えませんからねぇ…。酷すぎます。
ひばり達の前に現れたシューティングスター。その表情から感じるものは大体同じですが、やはりリテイク版の方がより良い表情をしていますよね。正に「不敵な笑み」という感じですよ。
「始まった…」と、戦いが開始された事を感じるつばめ。オンエア版は酷いとは言いませんが、薄っぺらい感じがしますよね。それに比べるとリテイク版は文句が無いです。この場面で見詰めているものの位置を考えても、オンエア版は変と言えます。
「自分のことを心配した方が」と、ひばりの背後に現れるシューティングスター。その時のひばりの動きを見比べて頂ければ、どちらが良いかは一目瞭然ですよね。シューティングスターの立ち方を見ても、それは分かるでしょう。背景もです。あ、全部ですね(笑)。
「これが最後の戦いなのだから」と、今まさに「ルシファー」を召還しようとするシューティングスター。どちらが決意の表情として良いかと問われれば、やはりリテイク版ですよね。オンエア版は無表情に近いですからねぇ…。
10 ディーヴァ”アテナ”からパタPiへ戻ってしまうテツロー。オンエア版は、明らかに間違っていますよね。最初、デンスケかと思ったのですが、良く見るとテツローに羽が付いているものだったので、「全然違う」とは言えませんが(笑)。普通、気が付くと思うのですが…。
11 この回で一番酷いカットと言えるかもしれません。かもめも酷いですが、アンフィトルテの動きが面白すぎます(爆)。リテイク版は、描写が完全に変わっているのですが、ここに載せた1カットだけでもそれが想像出来てしまうのではないでしょうか?(笑)
12 刺客3人衆の語りに対し、分からないなりにも心で何かを感じ取ったひばり(=アフロディーテ)。涙が溢れ出る表情として、よりしっかり描いているのはリテイク版ですよね。良い場面だけに、オンエア時にもしっかり描いて欲しかったです。
13 デンスケを破壊しようとした瞬間、ルシファーに異常が発生し、倒れるシューティングスター。「ここまで…、ここまでするのですか…」と、あまりにも惨い仕打ちに愕然とする表情として、オンエア版は訴えかけるものが足りないですよね。でも、横たわった時の髪の毛の位置は、オンエア版の方が自然だと思います。
14 倒れたシューティングスターと3人衆を抱きかかえるエリヌース。その抱きかかえ方が全く異なります。どちらが良いかは何とも言えませんが、オンエア版は少々無理があるようにも感じます。エリヌースの作画はリテイク版でなければ許しません(笑)。
15 「あの人は…私と同じ…」。シューティングスターの悲しい運命に、涙するつばめ。オンエア版の悲しそうな表情が悪いとは言いませんが、無表情ながらも涙を流すリテイク版の方が、この時点での「大鳥居つばめ」というキャラを正しく描写していると思います。ですから、ここはリテイク版でなければならないのです。

 「シューティングスター最後の戦い」という内容に相応しくない作画となってしまい、使い回し以外の作画の殆どが「不可」でした。しかし、リテイク版は描くべきところをキッチリ描き、シューティングスターや刺客3人衆の作画は完璧となりました。その為、BGMや演技と相俟って、非常に良い回に仕上がっています。前回の作画が割と良かったので、どうにかなるのではと思っていたのにこの結果は残念ですね。
 回想やディーヴァ召還等の使い回せる場面以外はほぼ全て差し替えとなっている為、リテイク率はかなり高いです。それでも、オンエア版の方で明らかに「うわぁ、こりゃ酷い」と思う作画のバラつきは少なかったので、見ようと思えば見られるレベルと言えるかもしれません。個人的には「不可」ですが、不可に限りなく近い「可」にしても良いかもしれませんね。
 しかし、こんな調子で最後まで進むのでしょうか…。


●放映データ
話数 19 サブタイトル 「仮面」 放映日 1998.08.08
脚本  高山治郎 絵コンテ 山口直樹 演出  山内富夫 作画監督 山波正太
ゲストキャラ レーダー員:鈴木琢磨
アニメーション協力 ワイズガイ


Back