◆今回の見所、感想等◆

 いよいよクレインの眠る城「プリムムモビーレ」が降臨する瞬間を迎えます。その為の攻防が行われるこの回は、終局へ向けての第一歩とも言えます。電脳組の5人やしびれ組の3人が、どんな想いでこの戦いに臨むのかをしっかり見ましょう!
 見所はある意味全部なのですが、「竜我崎鷲羽がクリスチャン・ローゼンクロイツへ戻るところ」、「”アキハバラ電動しびれ組”の登場」は特に見逃してはならないポイントと言えます。8話に登場した「北浦和うずら」の再登場も、彼女のファンにとっては嬉しいところと言えるでしょう。「アキハバラ商工会会長」の最期は、まぁ…こんなものでしょうね。
 攻略ポイントは、「この百年間、人間は何一つ変わらなかったという事か」、「百余年の悲願を成就せんが為に」、「その為の祭壇都市なのだろう? 竜我崎鷲羽、いや、クリスチャン・ローゼンクロイツ」、「この街の全てを君に捧げよう、クレイン・バーンシュタイク!」です。
 
〜 私の選んだ、今回の1枚 〜

真空管の交換に大忙しです(笑)。
●勝手にデータ!
オンエア作画レベル
(「優、良、可、不可」で表記)
リテイク率 45%
シリアス:ギャグ比率  9:1 
お勧め度(5段階)
(「5:高〜1:低」で表記)
重要度(3段階)
(「A:高〜C:低」で表記)
「恋ねば」回数 2(TVはとこ:1)
 (ピジョン :1)
特筆事項 特に無し
◆今回のすずめ語録◆

No. 台詞 発声箇所 説明
絶対無敵のちーぱっぱで御座いますですわぁ。 15分08秒 霊機融合したひばりとつばめの戦いを見て、その強さに驚いて言った台詞。「絶対無敵」という表現で全てが理解出来るのだが、その後ろに続く「ちーぱっぱ」がすずめ流としての完成度を高めているのは言うまでもない。これを使いこなすのは難しいだろう。
もしかするで御座いますですわ。 17分26秒 聞き覚えのあるバカ笑いに反応したつぐみが言った「もしかすると…」に続けた台詞。この展開のさせ方は「ヤッターマン」と同様であり、この辺りの活用の仕方もすずめ流ならではかもしれない。以前の「怪傑ズバット」と同様、侮れない(笑)。
今更なぁに言っとんじゃい。 18分09秒 ダークピジョンの正体が代官山はとこであった事にようやく気付いたつぐみに対して言った台詞。呆れて言った台詞として結構キツ目なのは、すずめ流と言うよりは、つぐみとの漫才コンビ故か(笑)。「言っとんじゃい」という締め方は、すずめ流と言える。

 シリアスな回が続く為、強烈なインパクトはありませんが、それでもバランス良くキッチリと出て来るすずめ流。新規の用法は無くとも、そのバリエーションは確実に増えていますから、どんな風に活用すれば良いかも分かり易くなって来たのではないでしょうか? 鍛練を重ねて、しっかり身に付けましょう!
 
◆デスクロウの文学的表現◆
 川 柳
  • 壊すなら 守ってみせよう 不如帰
 久し振りの登場、久し振りの川柳ではありますが、今までの様に緊迫したものではなく、電脳組の味方となったデスクロウの初川柳ということもあってかノリは軽いです。でも、「相変わらずだなぁ」と思えてしまうのは、それだけ印象付いたという証でもあると思うのですが、如何なものでしょうか?(笑)
 
◆オンエア vs. リテイク 〜 勝手に選んだ5つ12の場面◆

No. オンエア版 リテイク版 場面説明
アキハバラ中心への道を通行止めにしている自衛隊。オンエア版とリテイク版では、顔立ちが随分異なっています。オンエア版はあまりにも幼すぎる様に見えるので、リテイク版の方が現実味があると感じます。
シマ福郎の車で、アキハバラ第参中学校へ向かう電脳組その1。つぐみは良いとしてオンエア版のかもめの顔は酷いですよねぇ。顔としては変ではないかもしれませんが、リテイク版を見ればどう見ても変に見えますよね。
シマ福郎の車で、アキハバラ第参中学校へ向かう電脳組その2。オンエア版のすずめの表情は、すずめのものではありませんよね。顔としては変ではないかもしれませんが、リテイク版を見ればどう見ても変に見えるのは、”その1”と同じです。
真空管を懸命に交換するすずめとかもめ。オンエア版も悪くないと言えば悪くないのですが、少々間抜けな感じもしますよね。リテイク版は丁寧に描かれている分、良い感じだと思います。
ケルベロスに襲われそうになったシマ福郎の車がひばりに助けられた場面。オンエア版の目は「すごいよ!! マサルさん」的な描き方になっている上、表情も結構いい加減です。また、光の効果も含めて安っぽい部分を、リテイク版は全て修正しています。
コカトリスの大群に突進するひばり。オンエア版の画面はリテイク版でも使用されているのですが、場面が異なります。コカトリスの大群へ突進する描写としては、この後に続くシーンを考えるとリテイク版の方が良いと言えます。
ひばりとつばめの空での戦いを見守る電脳組。オンエア版も悪くはありませんが、よくよくリテイク版と見比べると、そのいい加減さが分かります。すずめやかもめの表情を見ると分かり易いですね。
「余所見している暇はありません」と言われ、振り向くつばめ。その表情の違いは一目瞭然ですよね。「えっ?」という危機感を持って振り向いた顔として、オンエア版はあまりにも間抜けです。リテイク版は完璧ですよね。
「はとぴょんも居るぴょん!」と名乗るダークピジョン。ご覧の通り、オンエア版はまるで別人になっています。隣のデスクロウも酷いものです。ここには映っていませんが、ブラッドファルコンも酷いです。リテイク版は全員完璧に直されていて、納得の表情です。
10 ダークピジョンの正体に驚くつぐみ。オンエア版は、つぐみも含めて3人の表情が酷すぎますよねぇ。顔はのっぺりしていますし、つぐみは別人ですし…。リテイク版は、表情の崩し方も含めて問題ない仕上がりになっていると感じます。
11 「尻の青い小娘!」とブラッドファルコンに言われるひばり。「ここは私達に任せて」と言われた直後の表情なのですが、随分違う印象を受けますよね。その他にもディーヴァのディテールの違い等、オンエア版で「?」と思える部分は、リテイク版になって直されているのが分かります。
12 プリムムモビーレを迎えるクリスチャン・ローゼンクロイツ。オンエア版は、髪型が間違っています。それによって、クリスが別人の様に見えてしまいますね。髪型に限らず、その顔の精悍さもオンエア版は欠落してしまっている様に思えます。リテイク版は問題無しでしょう。

 前半は特に問題のあるカットが無かったので「これは大丈夫かな」と思ったら、後半はかなり厳しいカットが多くなり、その殆どが差し替えられています。特に、久し振りに登場した刺客3人衆(=電動しびれ組)の作画は全然駄目で、見れないカットでは無いのですが、ギリギリ一杯のカットばかりで酷いものです。全体的に「不可」ではないものの、「ちょっとなぁ…」が目立ってしまった回でした。
 結局は約半分の差し替えとなっている今回。終盤くらいは良い作画で落ち着くかと思えば、なかなかそうも行かないのですね。残り3回は、せめて作画レベル「優」になって欲しいと思うのは、贅沢なのでしょうか…。


●放映データ
話数 23 サブタイトル 「祭壇都市」 放映日 1998.09.05
脚本  山口 宏 絵コンテ 加戸誉夫 演出  竹下健一 作画監督 中森良治
竹内昭
ゲストキャラ ニュースキャスター:永野広一、通信兵:吉野裕之
アニメーション協力 ワイズガイ


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