◆今回の見所、感想等◆

 新生薔薇十字団の最期を描く回です。その引導を渡すのが、クリスが待ち望んでいたクレインその人という結末に、驚かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。結果として、クレインの描く未来地図の為に利用された新生薔薇十字団の500年に渡る悲願は達成されずに終わる訳ですが、その残ったクレインが何を成そうとするのか。それに対し、電脳組はどう行動するのか。これからはそれがポイントとなります。
 見所はこれまた「全部」と言って良いでしょう。クリスとクレインの会話で、今まで積み重ねて来た殆どの事柄に解答を導き出せることでしょう。そして、これからのことも…。クリスの愛憎、クレインの残酷な仕打ち等、非常に重たい語りもしっかり見たいところですね。この回の最後、プリムムモビーレが地球を離れる事になりますが、その下で残されたひばりの表情は何を語っていたのでしょうか。残る2話、変に詮索せずに素直に見ることをお勧めします。
 攻略ポイントは、「来るべき時、選ばれし天使達よ…」、「私が仕組んだ事は、全て君に仕組まれたというのか!」、「あなたが生きた500年でも人は変われない。だからこの星に未来は無いのです」、「君は、私のイヴでなく、毒蛇だったのか…」です。
 
〜 私の選んだ、今回の1枚 〜

本当の王子様に会える瞬間、駆け出すひばり。
●勝手にデータ!
オンエア作画レベル
(「優、良、可、不可」で表記)
リテイク率 0.1%
シリアス:ギャグ比率  9:1 
お勧め度(5段階)
(「5:高〜1:低」で表記)
重要度(3段階)
(「A:高〜C:低」で表記)
「恋ねば」回数
特筆事項 特に無し
◆今回のすずめ語録◆

No. 台詞 発声箇所 説明
ちゅちゅーん、私飽きましたわ。 10分32秒 いつまで続くのか分からない真空管交換作業に飽きて口にした台詞。ここでの「ちゅちゅーん」は、以前使われたことのある、意味を持たないもの。尚、「私飽きましたわ」は、上から読んでも下から読んでも同じ文ではない(笑)。
それじゃあですわね、行きますわよ。わたくし毎度取り替えとりますわた、わた、わた、っわたわた、わた、 10分40秒 「上から読んでも下から読んでも同じ文」として、挑戦して玉砕したもの。これは全然すずめ流とは言えないものだが、すずめらしさが感じられるものなので、取り敢えずピックアップした(笑)。
ちゅちゅーーーんっ 10分53秒 「上から読んでも下から読んでも同じ文」として、かもめが挑戦した結果失敗に終わり、それに対して言った。用法としては新しく、「残念でした」と同義。ちなみに、かもめの挑戦失敗内容は「わたし回し回したわ」であった。
ひばりちゃん、今行くでごわすですます! 20分24秒 アキハバラに張られていた結界が解け、アキハバラ第参中学校へ向かおうとする時の台詞。「ごわす」と「ですます」の結合はすずめ流の上級パターン。以前に出た「ござる」と「ですます」の結合と同義。
あの、ヘンテコぷいぷいのお城ん中はどんなでおました? わたくしん家よりは小さいかもですけどぉ。 22分56秒 浮上するプリムムモビーレの下に残されたひばりを見て声を掛けた時の台詞。「ヘンテコぷいぷい」という表現は正にすずめ流。「ぷいぷい」は様々な表現に追加されるのでマスターしたい。尚、「おます」の疑問形も初登場。

 シリアスの中にも上手く楽しさを取り入れた回であった為か、バランスの良いすずめ流が出揃った回です。その中で、用法として新しいものも登場して、なかなか楽しませてくれます。「すずめ流」とは少し外れてしまいますが、「上から下から文」の辺りは、そのスピード感を味わって頂ければと思います(笑)。
 
◆デスクロウの文学的表現◆

  • この武器を 正しい名前で 読みたいが あまりに長くて 詠うのやめた
    ※尚、正式名称は「電磁誘導式ホーミングカノン」だが、じゅんは「ズババン砲」、はとこは「ビバノン砲」と呼んでいる。ちなみに、新生薔薇十字団は「デカログス・ミッシーレ」と呼んでいた。
 またまた軽めの川柳が登場しましたが、シリアスで重たい話の中でも、しびれ組として登場してからのデスクロウは(勿論、ブラッドファルコンやダークピジョンもですが)非常に心にゆとりが生まれているのを感じます。それを象徴するかの様な川柳は、ほのぼのした印象すら与えてくれていると思います。
 
◆オンエア vs. リテイク 〜 勝手に選んだ5つの場面◆

No. オンエア版 リテイク版 場面説明
冒頭に出てくる、アキハバラ第参中学校に結合したプリムムモビーレ。アングルや形、背景は同じですが、オンエア版は全く色が着いていないです。時間的な都合だったのでしょうか?
アキハバラ第参中学校を離れるプリムムモビーレ。カメラ位置等も含めて随分異なっています。どちらが良いという訳ではありませんが、プリムムモビーレの機能が停止している訳ではないので、それを考えるとリテイク版の方が良いと感じます。
特にありませんでした。この回がどんなにシリアスだったか、しびれ組の2人のリアクションから感じて下さ…い?(爆)
特にありませんでした。この回がどんなにシリアスだったか、つぐみとすずめの真空管交換シーンから感じて下さい。って、無理ですよね、これじゃ(笑)。
特にありませんでした。この回がどんなにシリアスだったか、かもめの発電機操作シーンから感じて下さい。未見の方には無理かもしれませんが…(笑)。

 クライマックスを飾るに相応しい作画が当てられ、内容に負けないものに仕上がっていました。その為、リテイクポイントは殆どありませんでした。またまた桜井弘明氏と川嶋恵子さんのコンビでした。これは偶然では無いのでしょうね、ここまで来ると。
 私が見た限りでは、プリムムモビーレの描き方だけが違っていました。キャラクターに関しては本当に完璧だったと思います。シリアスな部分やギャグの部分それぞれがキッチリ描かれており、毎度のことながら「毎回このレベルだったらなぁ」と感じてしまいました。残り2話は、完璧なものを期待したいですね。


●放映データ
話数 24 サブタイトル 「失楽園」 放映日 1998.09.12
脚本  あみやまさはる 絵コンテ 桜井弘明 演出  高橋 亨 作画監督 川嶋恵子
ゲストキャラ 特に無し
アニメーション協力 J.C.STAFF


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