◆今回のハルカ様◆

 過去の記憶に苦悩するアンジェラさんを心配するハルカ様。押し付けでない優しさが感じられて良いですね。アンジェラさんが苦悩から解放されたいとの事で、所謂「入院」となるのですが、ハルカ様は「お見舞いしなくちゃ!」とスパイク君達に言います。そこで、どうも反応が悪い彼等に対して「冷たい人達」と、ご機嫌斜め。この時、洗濯物を干していたのですが、その中にハルカ様の下着が・・・。スパイク君に「下着は自分で洗うって言ったでしょう!」と、顔を赤らめて言うハルカ様はなかなか可愛らしかったですね。
 「お見舞いにお花を」ということで、何処かに咲いていたという記憶を辿りながら歩き回るハルカ様は、とっても普通の娘さんで良い感じです。その後、ようやく見付けた一輪のバラを見るハルカ様の眼差しが、嬉しさで一杯だったのは印象深いですね。
 危うく大怪我をするところだった場面でも、自分の身よりバラが無事だったかを気にされるハルカ様。気持ちが伝わって来ます。そして、助けてくれたアンジェラさんが倒れている場面でも、アンジェラさんの為に涙を流すハルカ様。ここでもその優しさが伝わって来ます。
 色々あって、最後にアンジェラさんに挨拶してもらえたハルカ様の笑顔は良かったです。何より、「今度は大丈夫よ」という気持ちが表れた表情は印象深いものがありました。
 
◆今回の堀江由衣さん◆

 今回は「思い遣る」という感じの台詞が多かったと思いますが、アンジェラに向けて発する一言一言は、気持ちが素直に出ていたと感じました。
 「お見舞いに行く!」と決めた時、「え?」という表情のスパイク達に「冷たい人達!」と怒るところや、バラの花を見付けて「あった!」と喜ぶところ、そして倒れたアンジェラを心配して涙ぐむところは、非常に14歳の普通の女の子らしい表現が出ていたと思います。ハルカの優しさが良く伝えられていたと感じました。
 最後の「おはようございます!」は、「絶対挨拶してくれる!」という自信が感じられて、あの場面には最高の「おはようございます」だったと思います。その後の、「やったよ、スパイク君!」というのも嬉しさが全面に出ていて良かったです。
 それと、次回予告のBGMが明るめな事もあって、今までと違った次回予告が聞けるのはポイント高いですね。結びの「お楽しみに!」というのは、今までの様に不安げじゃないので清々しいです(笑)。
 
◆今回の見所、感想等◆

 サブタイトル通り、アンジェラさんが主役の回ですが、アンジェラさんの人間嫌いの理由が分かる重要な回です。更には、アンジェラさんがハルカ様に対して心を開くという重要な回でもあります。
 アンジェラさんの良きライバルであった同じ戦闘ロボットのラヴィニアの言葉、そしてそのラヴィニアを心から応援していた女の子の存在が、どうしても理解出来ないアンジェラさんは苦悩していました。しかも、ラヴィニアの信じた「人間」に裏切られ、それから「どの人間も同じ」という気持ちから心を閉ざしてしまったというのは、アンジェラさんにとって辛い出来事でしょう。今までの態度も肯けます。
 そんなアンジェラさんを癒したのは、ハルカ様の涙であり、弛まぬコミュニケーションだったという部分は観て頂きたいところですね。それと、今までの回でもハルカ様がアンジェラさんを気に掛けていましたが、アンジェラさんもまたハルカ様を見ていたという部分は思い出して欲しいところです。
 演出的に少々違いはありますが、基本的には原作のポイントは全て入っていると思います。ただ、アンジェラさんが得た回答に関して、アニメ版の方は明確に言葉にしていないのですが、私はこちらの方が良いと思いました。


●放映データ
話数 サブタイトル 「アンジェラ(後編)」 放映日 1998.11.09
絵コンテ 二村秀樹 演出 二村秀樹 作画監督 中沢一登
原画 谷 圭司、笹嶋啓一、山岸徹一、片岡康治、中村 基、
沖田篤志、丸 加奈子、谷川政輝
動画 Lee Pro
ゲストキャラ ラヴィニア:勝生真沙子、興行主:大友龍三郎


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