◆今回のハルカ様◆

 「大津波が来て、この辺りは全て海の底に沈んでしまう」ということを聞かされ、不安を隠せないハルカ様。それをしのぐ為のシェルターを探す事になり、お留守番になったハルカ様は、一緒に居たスパイク君、トリガー君に「私達も探そうよ」と進言し、じっとしていられない活動的なところを見せてくれました。
 フライヤーを見て「大きなお船」とその船に両親が助けられているかもしれないと期待を寄せるハルカ様。そのフライヤーの顔の部分を見て、過去の記憶がフラッシュバックし、凄く不安になってしまうハルカ様。そんなハルカ様を抱え、スパイク君が連れて行った場所は、ハルカ様の目覚めた場所。横になって休んだハルカ様を、断片的な過去の記憶が襲います。その不安に満ちた表情は、今までの中で一番見るのが辛いハルカ様の表情でした。
 自分が眠っていたコールドスリープカプセルを発見し、その場で思い出したくない恐く悲しい記憶が、ついにハルカ様に甦ってしまいます。その時の「いやぁ〜〜〜〜っっっっっ!!」という絶叫と、その後の「思い出したよ、私…」と涙ぐみながら呟くハルカ様は忘れられません。その時のハルカ様の気持ちを思うと、胸が張り裂けそうです。出来る事なら見たくない場面でした。
 
◆今回の堀江由衣さん◆

 「両親が何処かで生きている」と目を輝かせている時のハルカと、時々頭を過ぎる恐い映像に不安がるハルカの演じ分けはなかなかだと思います。前回から割と急に「過去の映像」というのが頻繁に現れる様になっているからか、台詞の中にも「パパ、ママ」というのが多くなっている気がします。それが、時々「フッ」とわざとらしく聞こえる時があるのは仕方が無いのかもしれませんね。
 記憶が戻る直前の「思い出したくない」という気持ちが乗った絶叫と、全てを受け留めて細い声で呟く場面は良かったと思います。「不安」という感情と「悲しみ」という感情は違って聞こえました。
 
◆今回の見所、感想等◆

 誰かから入った通信を「誰だ?」とか言いながら消去してしまうトリガー君。駄目ですねぇ、そんなことしては。この部分は原作の流れとは違っていても、結果は同じというのが面白いですね。
 とうとうその姿を現したフライヤー。原作では予めスパイク君達がその存在を知っており、来るべき時の為に保存しておいた様な流れなのに対し、アニメ版は偶然発見するという全く違う演出になっています。ただ、ハルカ様の記憶が甦る「キー」としてフライヤーの存在を使用している部分は、上手く出来ていたと思います。矛盾も無く無理も無い、綺麗なシナリオ結びだと思います。
 気にならない程度に説明的な台詞(トリガー君の通信絡みとスパイク君のハルカ様を休ませた場所絡み等)が挿入されていたのは、親切で良いと思いました。今回は全体的にハルカ様中心の話なので、ロボットさん達の活躍は殆どありませんでした。次回もこの流れは変わらないでしょう。それは「鉄コミュニケイション」で一番最初に訪れる衝撃的な場面なのですから…。


●放映データ
話数 サブタイトル 「シェルター」 放映日 1998.12.07
絵コンテ 阿部雅司 演出 阿部雅司 作画監督 しまだひであき
原画 八つ橋 聖、山崎輝彦、森中正春、飯飼一章
動画 BEAU Pro.、小林和人
ゲストキャラ


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