◆今回のハルカ様◆

 自らを嘲り笑うかの様に母親を紹介するカナト。そのカナトの母親の姿を見て驚くハルカ様でしたが、「母親を演じる様にプログラムされていた」と言うカナトに対して、「ロボットさん達の優しさは、プログラムなんかじゃない」と否定するハルカ様は印象的でした。それでも、全く納得しようとしないカナトを見て悲しむハルカ様ですが、「ロボットさん達の優しさ」、というよりは「カナト君の母親の気持ち」を分かってもらいたいという気持ちを胸に秘めているのが感じられました。 それと、この時ハルカ様はカナトの事を初めて「カナト君」と呼んだ事も付け加えておきましょう(ということで、これからは私も「カナト君」と呼ぶことにします(笑))。
 ハルカ様を救出に来たアンジェラさんに一撃を受けて気絶してしまうカナト君を庇い、「悪い人じゃないの」というハルカ様は、やっぱりお優しい娘さんですね。脱出する時アンジェラさんに、カナト君だけでなくそのお母さんも一緒に連れ出して欲しいをお願いするハルカ様でしたが、これも偏にハルカ様の優しさゆえの言動かなぁと改めて感じました。
 
◆今回の堀江由衣さん◆

 今回はカナトにスポットが当てられていたので、出番は殆ど無かったのですが、そんな中で「ロボットさん達の優しさは、プログラムされたものとは別の何かを感じる」という内容の台詞はとても印象深いものがありました。これは、色々辛く悲しい事を乗り越えて来た今のハルカだからこそ言える台詞であり、ロボットを本当の家族と心から思える様になった今のハルカだからこそ重みのある台詞であると思うので、 これを印象深いものに感じさせた堀江由衣さんは、以前にも増して「ハルカ」というキャラクターを演じる、というよりは理解を深めて気持ちを同じくさせる事に磨きが掛かった様な気がします。
 その他、カナトを庇う場面や、カナトの母親を連れ出して欲しいとお願いする場面は、いつものハルカらしい感じが出ていて良かったと思います。
 
◆今回の見所、感想等◆

 カナト君のロボット不振の理由を描くエピソードである為に、ハルカ様ご一行の活躍は殆どありませんでした。でも、ハルカ様を救出に来るアンジェラさんや、カナトのアジトの爆破工作をするリーブスさん等、物語を進行させる要所は押さえていたので、彼等の活躍を楽しみにしていた方にもOKといったところでしょうか。
 アリスとリリスの2人組は、相変わらず茶目っ気たっぷりという感じで、観る者をほのぼのとした気持ちにさせます。でも、そんな場面が浮いた感じを受けないのは、挿入箇所が上手いからなのかなぁと思います。
 特筆する場面としては、カナト君を斬り付けようとしたアンジェラさんが、庇うハルカ様を見た後、カナト君を抱きかかえて「介抱なら帰ってからでも出来る」と言うところでしょうか。アンジェラさん、やっぱり良い人ですね。  その他には、やはりカナト君の過去を語るところでしょうか。思わずもらい泣きしそうになったくらいに、カナトの心情が言葉の節々に表れていたと感じます。
 原作と比較すると、ハルカ様の救出のされ方や、カナト君の連れ出され方等が大きく違うので一概には言えないのですが、カナト君の母親に関しての描写が、アニメ版はあっさりしていた様な気がします。あっさり紹介され、あっさり回想されてしまった感があり、物語の中で1つのキーポイントとなる部分にしてはなぁ…と思いました。ですが、今後の展開が見えないだけに、最終的にはこれが最良の演出となるかもしれませんし、これからの展開を楽しみにしたいと思います。
 そうそう。気になると言えば、ソーン。もしかして、あれであっさり片付けられてしまうのでしょうか?(笑) その他にも、チラッとその姿が見られた巨大な影。あれはフライヤーにも似ていたのですが、カナトのアジトには何が隠されているのでしょうか。


●放映データ
話数 17 サブタイトル 「母親」 放映日 1999.02.08
絵コンテ 中山岳洋 演出 中山岳洋 作画監督 中山岳洋
原画 沖田篤志、谷川政輝、中山岳洋
動画 Lee Pro
ゲストキャラ カナト:今井由香、カナトの母:佐久間レイ、ソーン:石井康嗣、
ホーニー:大塚明夫、アリス:長沢直美、リリス:小桜エツ子


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