◆今回のハルカ様◆

 カナト君のお母さんの墓前に花を添えるハルカ様。自分のやった事が正しかったのかどうか悩み、カナト君にどの様に接したら良いのか分からないハルカ様のお姿は印象に残っています。そして、アンジェラさんにそっと抱かれているお姿も印象深いものがありました。
 カナト君に「ありがとう」と声をかけられ、溢れ出す涙を止めようともせず、立ち尽くしたまま泣くハルカ様には、ちょぴっともらい泣きしてしまいました。ハルカ様の優しさに、また触れた感じがしましたね。カナト君のお母さんの遺品となったメモリを入れるお守り袋をこしらえるという優しさも、とってもハルカ様らしくて嬉しくなりました。
 カナト君がアジトにいた時の様子を話している時や、他に生存している人間が居るという話をしている時のハルカ様は、それぞれ「印象に残る」というよりは「うん、ハルカ様だねぇ」という感じでしたね。物語を観ている為、ハルカ様だけを注目している訳では無いという事でしょうか(笑)。
 
◆今回の堀江由衣さん◆

 毎回そうですが、ハルカのシーンで印象に残ったり、目頭が熱くなったりする場合には、その前後の描写の手伝いは勿論あるにしても、大きくは堀江由衣さんの演技によるものであると感じています。今回の冒頭で、鳴咽を漏らしながら立ち尽くす場面も、正にそんな感じだと思います。
 割と重たい話が多い後半、ハルカの笑顔は殆ど出てこなくなってしまいましたが、ハルカの優しさや思い遣りは多く感じられる様になったと思っています。これは、ハルカに対して自分の中でキャラクターが出来上がって来たからという事ではなく、堀江由衣さんがハルカ自身に近付いているからであると感じています。
 当初は「雰囲気が近い」「違和感が無い」と思っていただけに近い私も、今では「ハルカはハルカであって、素の堀江由衣さんとは明らかに違っていると思える。これはつまり”演技”なんだな」と感じています。回も20回を重ねて、本当の意味で「違和感が無い」と言える様になりました。
 あまり「演技」という部分で大きな事を言える程のものは無いのですが、自分が今まで観てきた作品の中でも、立派にその大役を演じられていらっしゃると、私自身は感じております。その事実は変わらないですね。今回観終わって、フッとそう思ったので、書き留めてみました。勿論、「堀江由衣さんが好きだ」という贔屓目はあるかもしれませんけれど(笑)。
 
◆今回の見所、感想等◆

 物語も終盤に差し掛かり、ようやく「他の生存者」「火星」というキーワードと、「ホーニー」というキャラクターの企みの片鱗が現れて来ました。細かい部分で原作とは異なる進行で到達しましたが、この様子だと決着の付け方も色々違って来そうですね。楽しみです。
 しかし、今回はカナト君の目が優しくなっている所が第1の注目点ですね。前回で母親の気持ちを受け留めたカナト君は、今までロボットさん達に向けていた憎悪が嘘の様に晴れやかで穏やかな笑みを浮かべるまでになっていたのは印象深いですね。今回カナト君の発した「ありがとう」は非常に良かったです。
 その他では、またまたアリス&リリスのコンビが魅力全開でしたね(笑)。前回出番の無かったトリガー君も含めての活躍だったので、非常に楽しませて頂きました。特に「お、なんだよ、モテモテじゃねぇか」と言うトリガー君は良かったです! この部分はアドリブだったのでしょうか、嶋方さん?(笑)
 最後に投げかけられた、ホーニーの行動の疑問点等、次回以降目が離せないですね! 前回の感想で書いた部分が解消された様な感じで、次週への期待感は上手く持続しそうです。流石はクライマックス!という事でしょうか。


●放映データ
話数 20 サブタイトル 「生存者」 放映日 1999.03.01
絵コンテ KIKU 演出 阿部雅司 作画監督 谷 圭司
原画 ウォンバット、吉田 潤、清水勝祐、橋本宣夫、久保 正
動画 Lee Pro
ゲストキャラ カナト:今井由香、ソーン:石井康嗣、ホーニー:大塚明夫、
アリス:長沢直美、リリス:小桜エツ子


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