◆今回のハルカ様◆

 フライヤー同士の対決を目前にし、「やめて!」と叫ぶハルカ様。争いごとが悲しみしか生み出さない事を痛感しているハルカ様だから、余計にその気持ちが強かったのでしょう。更には、その中に単身乗り込んだカナト君の事も心配でならない為、ただその戦いを見ているだけの無力な自分も痛感したことでしょう。そんな風に感じるハルカ様の表情でした。

 フライヤー戦が終了し、墜落した悪フライヤーの中から無事姿を現したカナト君に駆け寄るハルカ様。言葉は少なかったですが、非常に嬉しそうでした。安堵の表情からか、その顔は非常に優しい顔をしていたと思います。

 クライマックスである、火星へ向けての旅立ち。リーブスさんに「卒業」と言われ、その意味を知ったハルカ様はぶわっと涙が溢れて来ます。非常にその気持ちが分かるだけに、ちょぴっと目頭が熱くなりました。言葉は多くありませんでしたが、それぞれのロボットさんと別れを告げ、再会を約束する場面は忘れる事は無いでしょう。作品のテーマの1つを代表する場面でした。

 そして、エピローグ。エンディングと共に流れるその映像は、ハルカ様の言葉こそ発せられませんでしたが、とっても幸せなんだということが感じられる素敵なハルカ様を拝見出来て、ここでもまたちょぴっと目頭が熱くなりました。私が一番観たかったハルカ様の「幸せの笑顔」ですから。これから先もハルカ様の幸せを願いつつ・・・。
 
◆今回の堀江由衣さん◆

 とうとう迎えた最終回。台詞の数は決して多いものではありませんでしたが、置かれている状況はともかく、ハルカと気持ちを完全に同じに出来る場面もあった事から、本当に気持ちが入っていたというのが良く感じられていて、「本番中なのに涙が止まらずに〜」というインタビューも読んでいたからか、その状況を思い浮かべ、こちらもちょぴっと貰い泣きしてしまいました(笑)。

 普通の30分番組と違って約半分の時間とはいえ、全24本もの話数をこなして来た訳ですから、1つの役をやり遂げた達成感・満足感もあり、折角半年もの間一緒にやってきたスタッフの方々とお別れという悲しみもあり、その沢山の思い出が、リーブスの言った「卒業」を聞いた途端に目の前を流れて行ったのでしょう。堀江由衣さんも「鉄コミュニケイション」という作品を卒業するのですから。

 私からも「半年間お疲れ様でした&有り難う」の言葉を贈ります。「演技」という部分では、まだまだ未熟だと感じる部分もあるかもしれませんが、私個人としてはこの「ハルカ」という役に、甘いかもしれませんが満点あげちゃいます(笑)。この先、1つ1つの役を大切に、口先だけの演技でなく、声だけで演じるからこそ何が大切なのかを見つけ出して行って欲しいと思います。最後の収録で流した涙は、宝物にして下さい。
 
◆今回の見所、感想等◆

 2機のフライヤーが対峙するところから始まった今回。「あなたをこのまま行かせる訳にはいかない」とは、大津波の時にお世話になったフライヤーさんの言葉。美味しい場面を持っていったなぁ(笑)と思いました。

 フライヤー同士の戦いは、割とあっさりと終了しましたが、カナト君がホーニーが居る制御室に辿り着いた後の、ホーニーの口から発せられる事実には驚かされました。ホーニーが機能停止する時のカナト君の表情は印象深いものがありました。
 ハルカ様とお別れの時がやって来て、最後の最後で零れそうな涙を堪えきれず、わぁっと泣き出すスパイク君。その前後の台詞もあって、ここはとっても良い場面だったと思います。ハルカ様御一行がロボットさんとはいえ、本当の家族と変わらない愛情で結ばれていた事が感じられたと思います。

 ハルカ様とカナト君を乗せたフライヤーが火星に旅立って、一緒に居たロボットさん達は地球を再生させる為、そして、元の美しい星にしてハルカ様を迎える為に準備を進める事を新たな使命としていました。そして、それから幾年が過ぎ、大地には緑が溢れ、元の美しさを取り戻した頃。さぁ、どうなったのでしょう?(笑) その答えは皆さん自身の目で確かめて欲しいです。あのエピローグは、この作品にとって一番綺麗な幕の閉じ方だと感じます。ある意味「可もなく不可もなく」なのかもしれませんが、それが一番良いと思いました。

 こうして半年間、全24話を観終え、「出会えて良かったな」と素直に思います。勿論、その出来自体が最高だったかと聞かれれば、不満な点もありますが、そんな事は些細な事だと感じられます。私の中では、こういったページを作ったからということもありますが、心に刻むものがあった作品であったということに感謝したいです。制作スタッフの方々、キャストの方々、このページに目を通して下さった方々全てに「有り難う」の言葉をもって、この感想も終わりにします。

#本編観ている時はそれほどでも無かったのに、この感想を書きながら目頭が熱くなりっぱなしでした(笑)


●放映データ
話数 24 サブタイトル 「再生」 放映日 1999.03.29
絵コンテ 二村秀樹 演出 菊池康仁 作画監督 高橋しんや
原画 増尾昭一、笹嶋啓一、山岸徹一、谷 圭司、中山岳洋、
沖田篤志、丸 加奈子、谷川政輝、菊 奴
動画 Lee Pro
ゲストキャラ カナト:今井由香、ソーン:石井康嗣、ホーニー:大塚明夫、
アリス:長沢直美、リリス:小桜エツ子、フライヤー:広中雅志、
ミライ:堀江由衣


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